古典ギリシア語に入門したい

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田中・松平「ギリシア語入門」§493. オイディプース

その後,オイディプースは長い間テーバイを最も幸運に支配した.
しかし何年も後になって,恐ろしい病気が突然に生じて,ポリスを非常に重く圧迫していた,
そして非常に多くの市民が死んだので,王(オイディプース)はそのとき最も著名な予言者であったテイレシアースを呼び寄せて,災いの原因を明らかにするように命じた.
そしてはっきりと彼(テイレシアース)は言った,オイディプースが全ての災いの原因である,と.父を殺して,母と結婚したのだから.
そのとき,イオカステーはオイディプースについてのことを聞くと,自ら首を吊って死んだ.一方オイディプース両目を抉り出した.神々の神託が空虚でも偽りでもないことを遅くに知って.
呪われた,そして祖国から相続権を奪われた彼(オイディプース)は,アンティゴネーと共にアッティカのコロノスにあるエウメニデスの神域に逃げ込んだ.そこでテーセウスは盲目の嘆願者(オイディプース)を親切に迎え入れた.
その場所で,まもなく,老人(オイディプース)は全ての種類の受難と苦難に打ちひしがれて死んだ.